前篇の内容は超大型巨人襲来からエレンゲリオン爆誕までのアニメで言うところの1クール分でした。
中盤くらいでエレンが巨人になると思ってたんだけど前篇の締めとしては謎も残るし確かにこの辺がいいところでしょうね。
諌山先生はエレンを弱く描写してくれという風にオーダーを出したとありまして、確かに原作の口を開けば駆逐!!というエレンとはちょっと違ってましたね。
その割には喧嘩はめっぽう強いという設定になってるので、この弱さというのは精神的なものを指していたようですが。
ただ、巨人の存在を信じていないという変更点はあるものの壁の中で生きる閉塞感、家畜に成り下がりたくない、壁の外に出て自由に生きたい、このままでいいのかっていう根本的なエレンの自由への渇望みたいなのはきちんと押さえてあったと思います。
正直ここさえブレなければあとはどういう改変されてもそこまでひどいことにはならんと思ってるんですよね。なんせ主人公だし。
なのでエレンの描写に関しては特に問題なかったです。(むしろエレンゲリオンになる前に巨人討伐してるし原作よりも優秀なんでは)
ストーリーの流れに関しては基本的な流れはきちっと押さえてあるなと感じました。
舞台を日本に移しはしましたけど、進撃の内容ってロストテクノロジーして衰退した世界観ならどこの国を舞台にしても成り立つと思うんですよ。
日本人の役者なのに外国人名というのをやり玉に挙げる人多いですけど、今の日本って結構な人種のるつぼじゃないですか。
衰退していく過程で名字が意味を為さなくなって(これは実際のところ日本人が外国人名の役をやる上で邪魔だから取っ払ったんだと思いますが)人種関係なしに交配していくに従って日本寄りの無国籍国家が出来上がったと思うんですよね。
ジャンあたりはさすがに欧米的ですけどそれ以外は結構無国籍的な名前だと思うんですがね。
ただもうちょっとアジア系というか海外の方をエキストラで入れるべきだったと思う。
そうしといたらあー無国籍な世界観なんだなーって思ってもらえたと思うんだけど。
この映画において一番重要なポイントと思われる巨人について。
これはもう文句ないです。さすが樋口監督、素晴らしい!!
失礼を承知でいいますがもうこんなにたくさんどっからみつけてきたというような絶妙な気持ち悪さの役者さんばっかりなんですね。
エキストラ募集で巨人の動きが出来る人?みたいな募集がネット上に出回った時がありましたけど、エキストラもですけど暗黒舞踏系とかプロっぽい人も多数参加してるように思いました
特殊メイクやボディスーツ(多分)の効果もあると思うんだけど、ガリガリだったりだらしなく垂れ下がった贅肉ゆらしたりしながら無数の巨人が迫ってくる恐怖と嫌悪感と言ったらないですよ。
そして捕食シーン、これがまた素晴らしい。
曖昧な描写に逃げたり話題性を狙って不必要にどぎつくしたりと両極端になりがちな部分だと思うんですけどいい塩梅のえぐさというか。
巨人から逃げていたエレンが小屋に非難する人波に流されて一緒に小屋に入ってしまってミカサと分断されるシーンがあるんですけど、まさかこれで巨人から難を逃れましたなんてなるんじゃなかろうなと思っていたら最終的にその小屋も結局屋根突き破られて中の人が全員喰われちゃうんですね。
扉の隙間から大量の血液がどばーと流れ出てきたシーンではガメラ2の地下鉄をレギオンが襲来して中の人が捕食されて窓越しに血液ブシャーになるシーンを思い出してゾクゾクしました。(間違いなくあれはセルフオマージュだと思う)
神経疑われるかもしれないんですけど、私ガメラ2で一番好きなシーンあそこなんですよ。
あとは噛み砕かれて落ちた腕を子どもの巨人が取り合ったり、駐屯兵団員を巨人がとりあってぶちってしちゃったり(さすがにはっきり描写してなかった気がするけどあれは真っ二つになってると思う)
この巨人の描写から逃げなかった時点でこの映画って8割成功してると思うんですよね。
まあちょびっと内臓飛び出るくらいあってもよかったか?と思いますけどこれでもPG-12?って感じなのにR-15いっちゃいますからね。
とにかくほんと巨人に関しては文句なし100点です
長くなり過ぎたので記事を分けます。
次はキャラ個別の感想と不満点を書きたいと思います。
前フリが長すぎたよねー
PR